※設例は、あくまでも公開された裁判例などをもとにした仮定のものであり、登場人物や事件の内容は、実際の事件とは一切関係ありません。
また、実際の相談が必ずこのように進むというわけでもありません。
相談を初めてしようと思っている方などに対して、あくまでも、弁護士がどんなことを尋ねるのかとなどについてイメージとしてお伝えしているものです。
※内容は、不定期・随時に更新しています。
「今日はどうもわざわざお越し頂いて有り難うございます。母も奥で待っております。」
「お忙しいところお時間を作って頂いて有り難うございます。お母さんの調子は如何でしょうか?」
「はい、普段と変わりなく元気です。ただ、弁護士さんが来られるということで説明したところ、少し緊張しているようです。」
「おーい、お母さん、弁護士さんが来てくれたよ。」
「初めまして。私は半蔵弁護士と申します。」
「あらあら、・・・わざわざこんなところまで来て頂いて。すみませんねー。道夫、こちらの方にお茶を出して差し上げて。」
「うん、いま準備するよ。半蔵弁護士さん、ちょっと待っていてください」
「道夫さん、どうぞお気遣いなく。」
「ええっと、それで今日はどんなご用件だったかしら?」
「お母さん、さっきから説明しているじゃないか。今日は、弁護士さんに来てもらって、お母さんの今後のことについて色々と説明をお聞きするということだっただろう。」
「ああ、そうそう。そうだったわね。最近ちょっと物忘れが有りましてね。すみませんね。」
「いいえ、とんでもないですよ。私も、最近は物忘れが多いですから。」
「そうよねー、まったく年を取るのは嫌なもんだわ。それで、あなた様は銀行の方だったかしら?」
「お母さん、こちらの半蔵弁護士さんは弁護士さんだよ。」
「そうそう、ごめんなさい。」
「いいえ、いいんですよ。今日は、道夫さんや弟の兼夫さん、妹の光子さんなどから、『最近、ちょっとお母さんの物忘れが酷くなってきているので少し心配している』ということで、ちょっと伺ってみたんですよ」
「まあまあ、それは済みませんね。」
「これは、裁判所で出している後見制度について書かれたパンフレットです。先ほどご説明したことは大体書かれているのですが。」
「まあまあ、それは済みませんね。でも、私は、最近はこういうのを読むのも面倒になってしまいましてね。」
「よく分からないことがあったら、私の名刺に書いてある電話番号にいつでもかけて下さい。」
「はい、こちらは東京家庭裁判所の後見センター予約係です。」
「はい、こちらは半蔵弁護士と申しますが、後見の申立ての予を取りたいのですが。」
「分かりました。確認させて頂きたいのですが、ご本人さんの住所は23区内ですね?」
「はい。」
「分かりました。所定の診断書は取得していますか?」
「はい。」
「診断書の後見類型はどのようになっていますか?」
「はい、一番重い後見相当になっています」
「分かりました。当日来られるのはどなたになりますか?」
「はい、半蔵弁護士と申立人の藤原道夫さんの2人になります。本人のミチさんは、裁判所まで来られないと思います」
「分かりました。それでは、お越しになられる日なのですが・・・・」
「それでは、1週間後の午前10時に霞が関の東京家裁で待ち合わせましょう。宜しくお願いします。それまでに、今日お聞きしたことなどをもとにして、私の方で書類を作って準備しておきますが、事前に、ファクスで一度お見せしますので確認をして頂けないでしょうか?」
「分かりました。宜しくお願いします。」