※設例は、あくまでも公開された裁判例などをもとにした仮定のものであり、登場人物や事件の内容は、実際の事件とは一切関係ありません。
また、実際の相談が必ずこのように進むというわけでもありません。
相談を初めてしようと思っている方などに対して、あくまでも、弁護士がどんなことを尋ねるのかとなどについてイメージとしてお伝えしているものです。
※内容は、不定期・随時に更新しています。
「真田さん、初めまして。半蔵弁護士と申します。このたびはわざわざお越し頂いて有り難うございます。今回紹介して頂いた武田さんは、私の大学の先輩なのですよ。武田さんはお元気ですか?」
「このたびは宜しくお願いします。武田さんにはいつもよくしてもらっています。先日この件の相談でお会いした時もお元気でした。」
「私たち夫婦は、私も当時勤めていた大洋電機で知り合いました。恋愛結婚でした。1年くらい交際して、会社の上司に仲人をお願いして、都内のホテルで結婚式を挙げました。夫は、現在も大洋電機の都内の事業所に勤務しています。夫の役職ですか?今は、営業部の課長補佐をしていて、部下が10名くらいではなかったかしら。」
「結婚してからのおふたりの関係は良好だったのですか?」
「ええ、仲良し夫婦でしたよ。子供が生まれるまでは二人でよく映画などにも行っていました」
「双方の両親や親戚との折り合いとかはいかがでしたか?」
「特に問題なくて、双方の両親とも、うまくやっていましたよ。」
「お子さん、ええっと、美幸ちゃんでしたね、、美幸ちゃんが生まれてからはどうですか?」
「夫は子煩悩でしたし、特に変わりなく家族3人で暮らしていました」
「えっと、確か、お二人の関係がうまくゆかなくなってしまったのは今から数年前くらいからということでしたよね?」
「そうなんです」
「何かきっかけのようなものはあったんでしょうか?」
「いえ、何かきっかけがあったというわけではないのですが・・・」
「申し訳ありません。少し感情が高ぶってしまって。。夫が浮気したとか、何か決定的なことがあったわけではないんです。」
「幸男さんから暴力を受けたとか、そういうことはないんですか?」
「暴力ということでしたら、喧嘩をした際に叩かれたり蹴られたりしたことはありますが、けがをしたとかいうことはありません。」
「それで、喧嘩の原因というのはどんなものなのですか?」
「別に大したことではないんです。夫が私に食事がマズイとか文句を言ったりするので言い返したら喧嘩になったということもありましたし、私が電話をしているのを気に食わなかったのか、電話している傍らでわざと大きな音でテレビを付けたりするので、私が怒ったり。どちらの実家に帰省するかということでもけんかになったりしたこともあります。とにかく、そんなことが色々と積み重なってしまって、ここ1年くらいでは、お互いほとんど口もきかなくなってしまいました。たまに口をきいてもけんかになってしまって「お前なんかと結婚するんじゃなかった」とか酷いことも言われました。」
「家庭がそんな雰囲気だと、美幸ちゃんにとっても宜しくないと思うのですが、如何でしょう?」
「・・・・・そうですね、美幸には本当に申し訳ないと思っています。」
「美幸ちゃんからは、今の気持ちとかをお聞きになりましたか?」
「・・・・・はい。今回別居するにあたって、美幸には私から話をしました。」
「1か月ほど前に別居を開始していますが、その経緯というのはどういうことなのでしょう?」
「もともと、別居したいと思っていて、実家にも思い切って相談はしていたのですが、なかなか踏ん切りがつかなくて。ただ、美幸の中学校の終業式も済んで、ひと区切り付いた時期にと思って、思い切って家を出たのです。もう、あの雰囲気に耐えられなくて。」
「幸男さんには告げてきたのですか?」
「置手紙をしてきました。それなりに荷造りも進めていましたので、夫もうすうす分かっていたとは思いますが、止めもされませんでした。」