※設例は、あくまでも公開された裁判例などをもとにした仮定のものであり、登場人物や事件の内容は、実際の事件とは一切関係ありません。
また、実際の相談が必ずこのように進むというわけでもありません。
相談を初めてしようと思っている方などに対して、あくまでも、弁護士がどんなことを尋ねるのかとなどについてイメージとしてお伝えしているものです。
※内容は、不定期・随時に更新しています。
「はじめ君との面会の具合はどうですか?」
「はい,昨日も行ってみましたが,元気にしている様子でした」
「私も,何度も面会に行っていますが,少しづつ変化も現れてきているような気がします。」
「それと,半蔵弁護士さんの指示で,はじめが万引きしてしまったお店に謝りに行きました。」
「そうですか,反応はどうでしたか?」
「店長は『もう二度としないと約束してくれればそれでいい』と仰ってくれました。ただ,心ばかり迷惑料とということでお持ちしたのですが,それは受け取ってもらえませんでした。」
「そうですか,でも,仕方ありません。謝罪に行ったという事実が大切かと思います。」
「はい。」
「はじめ君がほかにも万引きしていると行っていた他のお店については,どうでしたか?」
「はい,はじめが万引きしたということでいくつかお店の名前を挙げていましたので,恥ずかしかったのですが,いくつか思い切って回ってみたのですが,お店の方としては『証拠もないし,いまさらそんなこと言われても困る』ということで相手にしてもらえませんでした。」
「分かりました。有り難うございました。ところで,明日は,裁判所にはお越し頂けるということで大丈夫でしょうか?」
「はい,明日の1時でしたね。パートの方は何とか休みを頂きましたので大丈夫です。明日は,どんなことをするのでしょう? 」
「明日は,家裁送致といって,はじめ君の身柄やこれまで取り調べた証拠資料が全部家裁に送られてくることになります。それを見て,裁判官が,はじめ君を少年鑑別所に送るかどうかを決めるという手続きがあるんです。」
「はい。鑑別所に行ってしまう確率はどのくらいなんでしょうか?」
「残念ですが,率直に言って,今回の件に関しては他にも万引きしていたりということもありますし,なかなか厳しいところだとは思います。」
「そうですか・・・ただ,やれるだけのことはお願いしたいと思っています。」
「分かりました。裁判所には,明日,裁判官が観護措置の決定する前に面接してもらいたいということは事前に連絡しておきたいと思います。」
「はい,ぜひお願いします。」
「どうも,初めまして。私は,今回の監護措置に関して担当する調査官の南部です。」
「このたびは,どうぞ宜しくお願いします。」
「今回は大変ご迷惑をおかけし申し訳ありませんでした。」
「はい。それで,半蔵弁護士さんからの意見書は事前に読ませて頂きました。ほかに何か付け加えることはありますでしょうか?」
「分かりました。裁判官には改めてお伝えしておきます。ところで,お母さんにお尋ねしたいのですが・・・」
「はい,なんでしょう?」
「通っている高校には今回の件は,どう伝えているのですか?」
「はい,捕まっている期間も長くなってしまい隠し通すこともできませんでしたので,ありのままに伝えています。」
「高校は退学ということになってしまうとか,そういった話は出ていますか?」
「いえ,まだそこまでの話にはなっていなくて,今回の処分がきちんと出たら判断するということになっています」
「そうですか,分かりました。」
「はい,裁判官の最上です。半蔵弁護士さんの意見書は事前に読んでいますが,面接ご希望ということでしたので,付け加えることがありましたらお願いします。」
「はい,お忙しいところすみません。」
「ずいぶん長いんですね」
「そうですね,今日初めて目にする大量の捜査資料を読み込んでから少年たちと会って判断することになるので,時間もかかるのでしょうね。」
「残念でした。今後は,少年審判に向けて準備していきましょう。」
「はい。仕方ありません。」