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成年後見・保佐・補助に関する裁判例

【裁判例】 成年後見人の善管注意義務1 東京地方裁判所 平成11年1月25日
旧法下の禁治産時代の裁判例ですが、本件は、本人の相続人である原告が、禁治産者本人の後見人であった被告A女に対し、同被告が、被後見本人の所有する土地を売却した行為と、本人名義でマンション新築工事契約を締結した上、それを解約して違約金を支払った行為は、それぞれ後見人の善管注意義務に違反するものであるとして、後見人であったA子に損害賠償を求めた事案です。  裁判所は次のように述べて後見人の善管注意義務違反を認めて損害の賠償を命じました。 「以上の事実を総合すると、被告A女は本人の後見人に就任するにあたり後見人の義務についてほとんど注意を払っていなかったこと、本件各土地の売却については売買代金や買受人を何ら指示せずに、ただ漫然と夫や知り合いに任せており、契約締結段階に至っても、売買代金についてほとんど注意を払わずに知り合いの言うがままにしていたこと、知り合いがブローカーのような仕事をしていたことについて、被告A女及び夫は長年の付き合いから認識していたこと、夫はかつて借地人に直接土地を売却したことがあったにもかかわらず、本件各土地についてはそのような方法をとらなかったこと、本件各土地の売却価格は鑑定による時価評価額と比べて約27.7パーセントも低い価格であり、被告A女も右売却価格が低廉であることは認識していたこと、財産目録を調製していなかった(このことにつき合理的理由はなかった。)にもかかわらず本件各土地を売却していること、本件土地二については、二重売買をしている上、さらに、B会社から被告A女に対して提起された所有権移転登記手続の裁判において、後見監督人が選任されているにもかかわらず、被告A女だけで請求原因事実を認めて敗訴判決を受け、判決に基づき登記名義がB会社に移転してしまっていることがそれぞれ認められる。被告A女は、本人の後見人として、被後見人である本人の財産を善管注思義務をもって管理処分をする義務を負い、その財産を他に売却する場合には、これを適正妥当な価格で売却すべきものであるところ、右の各事情からすると、被告A女は、信頼するに足りない知り合いの言うがままに、低廉な価格であることを認識しながら、鑑定評価額を27.7パーセントも下回る低廉な価格で本件各土地を売却したものであって、被告A女が本件各土地を廉価で売却したことは、被後見人本人に対して負っている善管注思義務に違反し、被告A女は不法行為責任を負うということができる。」 【掲載誌】  判例タイムズ1042号220頁        判例時報1701号85頁
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