※設例は、あくまでも公開された裁判例などをもとにした仮定のものであり、登場人物や事件の内容は、実際の事件とは一切関係ありません。
また、実際の相談が必ずこのように進むというわけでもありません。
相談を初めてしようと思っている方などに対して、あくまでも、弁護士がどんなことを尋ねるのかとなどについてイメージとしてお伝えしているものです。
※内容は、不定期・随時に更新しています。
「ああ,あんたが半蔵弁護士さんか。」
「はい,私が半蔵弁護士です。」
「今回はとんでもないことしてくれたなあ!」
「何がです?」
「何がですじゃないよ!話し合いも何もなく,いきなり仮差押えなんか掛けやがって!こっちの信用はがた落ちじゃないか!」
「それは,あなたが約束した支払いをしないからでしょう。こちらは法的に則って手続きしたまでです。」
「ふざけるなよ!」
「それで,ご用件はなんなんです?」
「取り下げてほしい」
「は?」
「いや,だから,今回の仮差押えを取り下げてほしいんだ」
「それだけですか?」
「は?」
「いやいや,これで私が仮差押えを取り下げたら,何のために手続き下野か全く意味がなくなってしまう。そんなことはできるわけがない」
「しかし,自治体の方からは,西郷舗装とよく話し合うように言われているんだ」
「そりゃ,自治体はそう言うでしょうよ。未払の500万円はどうするつもりなんです?取り下げるかどうかはその条件次第です。」
「今すぐ全額は無理なんだ。」
「それは私には関係がない。払わないのなら取り下げない,ただそれだけです」
「しかしね,今回仮差押えを打たれた売掛が入ってこないと,下手すると倒産するかもしれないんだ。」
「とにかく,私も子供の使いではないんだ。まったく支払しないで取り下げてくれと言われてもそれは無理だ。こちらが取り下げられる条件をきちんと提示してください。」
「わかった。」
「どうも,今回は有り難うございました」
「いえ,こちらこそ。でも,次回からは,きちんとした与信管理が必要ですね。やっぱり,どんぶり勘定で経営していると,思わぬ落とし穴がありそうです」
「そうですね。川路からもずいぶんと怒られていますので,請け負う際はきちんと判断したいと思います」