離婚原因に関するQA

【裁判例】 親族との不和3 名古屋高等裁判所 平成20年4月8日 
別居期間が約3年3か月に及んでいるという事案で、破たん主義的な傾向が強まっている最近の事情がらすると、離婚認容との判断に傾きがちであり、実際に原審は夫からの離婚請求を認めました。 しかし、控訴審は、一転して、妻と夫の婚姻関係はいまだ破綻しておらず,婚姻を継続し難い重大な事由があるとは認められないとして、離婚を認めないという判断をしたものです。 この案件では夫の母親(妻にとっては義母)との関係ということがポイントになっています。 義両親との関係が離婚事由として問題となっている案件というのはよくありますが、義両親との関係を排除した場合に夫婦として円満にやっていけるかという視点をもつ裁判例というのが結構あるような気がしています(勿論、夫婦双方が離婚について合意しているのであれば問題にはなりませんが)。 本件は,平成14年に婚姻した夫婦の件です。夫が離婚を求めたいのに対し,妻がこれを拒否しました。 夫婦は,婚姻前の平成12年秋ころから同居し,円満な同棲関係から長男の出生を機に婚姻したものであって,相当期間円満な同居生活・婚姻生活を送ってきた夫婦であり,平成16年頃までは円 満な夫婦であったと認定されています。 妻の認識によると,夫婦の関係がおかしくなってきたのは,夫婦だけの頃の生活では円満であった夫婦関係が夫の母親との接触が多くなるにつれて関係が悪化したということです。 高裁は,このような妻の認識が客観的事実合致しているかどうかはともかくも,妻の認識については妻のうつ病に影響されているところも多分にあるのではないかと考えられ,妻のうつ病については今後の治癒により夫婦や夫の親族との関係も改善する余地があるのではないかと指摘した上で,夫からの離婚請求を認めませんでした。 【出典】 家庭裁判月報61巻2号240頁
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