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婚姻の取消・無効,協議離婚に関するQA
婚姻の取消はどのような場合に認められるのですか?
1 民法744条1項は婚姻の取消という制度を規定しています。次のような事情がある場合に限り,家庭裁判所に対して請求することにより婚姻の取消が認められることとなっています。 婚姻の取消を請求することができるのは,当事者,その親族,検察官などです。検察官は,当事者の一方が死亡したときは婚姻の取り消し請求をすることができません。 2 婚姻の取消事由 (1)婚姻適齢に違反した婚姻 現在の民法では男性が満18歳,女性が満16歳から婚姻することができ,また,未成年が婚姻するときは,父母の同意を得なければなりません(民法731条,737条1項)。 なお,明治民法では,男性満17歳,女性満15歳が婚姻適齢とされており,未成年者が婚姻する場合は戸主の同意が要件とされていたほか,30歳以下の男子,25歳以下の女子が婚姻する場合は「家ニ在ル父母」の同意が必要とされていました。 このような婚姻適齢,父母の同意という要件を欠いた婚姻届出はそもそも受理されないはずですがね誤って受理された場合にも当然に無効となるというのではなく,当事者からの請求を待って取り消し得るものとされています。 婚姻適齢違反の婚姻については,当事者が婚姻適齢に達した時は取り消すことはできなくなります(不適齢者は婚姻適齢に達した後なお3か月間は取り消し請求することが出来ます 民法745条)。 (2)重婚 配偶者のある者は重ねて婚姻することができず(重婚の禁止 民法732条),これに反して婚姻届出が受理されてしまった場合,後婚については当然無効とはならず,当事者,親族,検察官のほか,前婚の配偶者も取消し請求することができます。 前婚については,離婚事由になり得るものと考えられています。 重婚は,誤って婚姻届が受理された場合の他,偽造した離婚届を提出した後婚姻したが裁判で離婚が無効とされた場合,配偶者の失踪宣告を受けた者が婚姻したが後に失踪宣告が取り消された場合,またね外国での婚姻と国内の婚姻が重なって行われた場合などに発生します。 (3)再婚禁止期間違反 違憲論も強いものの,現在の民法では,女性は前婚の解消又は取消の日から6か月を経過した後でなければ再婚をすることができないとされています(民法733条1項 なお,前婚の解消又は取消の日の前から懐胎していた場合には,その出産の日からは再婚禁止の規定の適用はないものとされています,同条2項)。 再婚禁止違反の婚姻届が誤って受理されてしまった場合も婚姻の取消事由の一つとされています。 (4)近親者間の婚姻禁止 民法734条1項では直系血族(祖父母や父母と孫子など),3親等内の傍系血族(叔父叔母,甥姪など)との間で婚姻することはできないとされてり,かかる近親婚に反した婚姻が誤って受理されてしまった場合にも婚姻の取消事由となります。 (5)詐欺又は脅迫 詐欺又は脅迫によって婚姻届を提出させられた場合も婚姻の取消事由の一つです(民法747条1項)。 この場合,当事者が詐欺を発見し又は脅迫を免れた後3ヶ月以内に婚姻取消の請求をしなければなりません(同条2項)。
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