親子・親族に関する裁判例

【裁判例】 詐欺による養子縁組の取消権は養親又は養子だけが有することを理由に養親の実子からの縁組取消しの訴えが却下された事例 東京高等裁判所 平成19年7月25日
高齢者が養子縁組を行い,それが詐欺であるとして高齢者の子が取消を求めたという事案です。 1 養子縁組については,詐欺による婚姻の規定(民法747条1項)が準用され,当事者が詐欺に気付いてから6か月以内であれば,家庭裁判所に養子縁組の取消を請求することができるものとされています(民法808条1項)。 2 本件では,平成17年2月に,昭和9年生まれの高齢者が交際相手であった女性の未成年の子を家庭裁判所の許可を得て養子縁組した後,同じ年の平成17年10月に死亡します。  収まらなかったのが高齢者の子どもたちでした(相続人がその分増えるわけです)。  高齢者の子どもたちは,本件養子縁組は詐欺によるものであるとして,家裁にその取消を求めて出訴しました。その理由としては,交際女性はまず,養子の弟を亡くなった高齢者に認知させ(この認知は後に取消判決が確定しています),養子となった子も高齢者を同じく父とするものであると誤認させて養子縁組さたものであるというものでした。 3 一審は,子どもたちの訴えを認めて,養子縁組を取り消しましたが,東京高裁は,そもそも子供たちには詐欺取消の取消権がないとして,訴えそのものを却下する判断をしました。  その理由とするところは,そもそも用意縁組の取消権を持つのは養子縁組の当事者である養親と養子ですが,本件では養親である高齢者が亡くなっており,取消権が相続人などの承認人に承継されるとする民法120条2項が養子縁組の取消の際にも準用されるかどうかで舌が,高裁は120条2項は養子縁組の取消の際には準用されないとしました。 【掲載誌】 【掲載誌】  判例タイムズ1257号236頁
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