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財産分与・慰謝料に関するQA
【裁判例】 各個人名義の預貯金等が清算的財産分与の対象とはならないとされた事例 東京家庭裁判所 平成6年5月31日
通常の離婚調停や離婚訴訟では,夫婦それぞれの名義となっている預貯金であっても,あくまでも夫婦が共同して形成した実質的共有財産として,合算して分与するというのが普通です。 これは,名義が別個であっても,通常の家庭ではどちらか一方の収入により,又は夫婦双方の収入を合算して生活を営んでいるというのが普通であるからです。 本件では夫が画家,妻が童話作家であり,夫婦双方ともに婚姻前から独立して活動しており,婚姻後も各自の収入,預貯金は自ら管理し,それぞれが必要なときに生活費用を支出していたという生活(家計)形態でした。 裁判所は,「婚姻前からそれぞれが作家,画家として活動しており,婚姻後もそれぞれが各自の収入,預貯金を管理し,それぞれが必要な時に夫婦の生活費用を支出するという形態をとっていたことが認められ,一方が収入を管理するという形態,あるいは夫婦共通の財布というものがないので,婚姻中から,それぞれの名義の預貯金,著作物の著作権についてはそれぞれの名義人に帰属する旨の合意があったと解するのが相当であり,各個人名義の預貯金,著作権は清算的財産分与の対象とならない。」と判断しました。 【掲載誌】 家庭裁判月報47巻5号52頁
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