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休職に関するQA

体調不良により欠勤を繰り返したり,勤務中に不可解な言動を繰り返していた社員が「うつ病」との診断をうけましたが,精神疾患を理由としてこの社員を解雇することができますか?
解雇には法律上の解雇制限があり,また,精神疾患特有の解雇に関する留意点もありますので,これらの点について注意が必要になります。 1 精神疾患が業務上の原因による場合 (1)使用者は,労働者が業務上の負傷・疾病による療養のため休業する期間及びその後の30日間は,当該労働者を解雇することができません(労基法19条1項)。 特に,精神疾患の場合,その原因が業務に起因するものであるかどうかが不明確である場合が多いので,長時間労働や過重労働の存在などそのように判断される場合には解雇は避けた方が良いでしょう。 (2)事後的に業務上に起因するものと判断された場合,解雇は過去に遡って無効とされます(東京高裁平成23年2月23日 東芝事件)。 (3)業務上の原因によって精神疾患となった場合であっても,症状固定後は,労基法19条1項の適用は排除され解雇が可能となりますが,精神疾患の場合,症状固定の時期の判定が難しく,長期間が経過としても症状固定に至っていないとして解雇ができないというリスクがあります。 (4)業務上傷病による療養について,使用者が打切保障(労基法81条)した場合には,解雇が可能となります。打切補償とは,療養開始後三年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合においては、使用者は、平均賃金の千二百日分の打切補償を行い、その後はこの法律の規定による補償を行わなくてもよい。とされているものです。 なお,労働者が療養開始後3年を経過した日において労働者災害補償保険法上の傷病保障年金を受けている場合又は同事故において同年金を受けるに至った場合,3年を経過した日又は同年金を受ける日において打切保障が支払われたものとみなされます(労災法19条)。 また,天災事変その他やむを得ない事由のために事業の係属が不可能となった場合も,労基法19条1項の適用はありません。 2 解雇予告規制(労基法20条1項) 精神疾患により労働者を解雇した場合にも,解雇のすきなくとも30日前までにその予告をするか,30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければならないという解雇予告規制が及びます。 なお,労働者の責めに帰すべき事由により解雇する場合には解雇予告規制が除外されますが,労働者が精神疾患にり患したことのみをもってこれに該当するものとは考えられていません。 3 解雇権濫用法理による規制(労契法16条) 解雇に当たっては,合理的な理由があり,かつ,社会通念上相当であることが必要とされています。 精神疾患により労働者を解雇しようとする場合,根拠としては,就業規則上の普通解雇(「身体精神の障害により業務に耐えられないとき」など)に該当するものとして解雇がされることになりますが,この場合にも解雇権濫用法理による規制が及びます。 精神疾患にり患したことのみをもっては普通解雇事由に該当するものとはされず,その程度が非常に重く,治療による回復を期待することができない程度にまで至っていることが必要であると考えられています。 裁判例(東京地裁平成17年2月18日判決 カンド―事件)において,躁うつ病の躁状態であることを理由とする解雇につき,解雇に先立って,原告の主治医の助言を求めた形跡がなく,本件訴訟の原告本人尋問での供述態度からは治療の効果が上がっていたと考えられることから,その症状が重く治療により回復する可能性がなかったとはいえないし,被告会社では原告のほかに病気で通常勤務ができない者2名の雇用を継続しており,原告の症状の程度に照らすと,原告のみを解雇するのは平等取扱いに反するから,客観的で合理的な理由を欠き,解雇権を濫用したものとして無効であるとされたものがあります。 休職制度がある場合には,休職によって改善の見込みがあるとされる場合にはまず休職させて治療に当たらせたうえで,医師とも相談しながら判断していくなどの慎重な対応が必要であると考えられます。
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