労働審判手続に関するQA

労働審判手続の対象となるのはどのような事案ですか?
1 個別労働紛争 労働審判手続の対象となるのは「労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争」(個別労働関係民事紛争 労働審判法1条)です。 したがって,労働組合と使用者の間の紛争は対象とならず,不当労働行為事件などについては労働審判手続では扱うことができません。 募集や採用に関する事件について,労働契約上の地位を争う紛争については労働契約成立前の段階ですので手続きの対象となりませんが,それらに関する損害賠償事件については手続の対象となると考えられます。 採用内定取消し事件については,労働関係の存在を前提としているので,手続の対象となります。 請負や委託という法形式を取っているが,実質的には労働契約関係であると主張する紛争についても労働審判手続きの対象となるものと考えられます。 2 労働者と事業主との間に生じた紛争 労働審判手続は,個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争を対象とします。 問題となり得るのは,セクハラやパワハラによって身体的,精神的な損害を受けたとして上司や同僚に対し損害賠償請求をする場合ですが,上司などの個人のみを相手方とする場合には手続きの対象外であると考えられます。 しかし,使用者の安全配慮義務違反を追及する場合には,勿論,手続の対象となり,実際にセクハラ等を行なった上司等の個人については,利害関係人として手続参加を求めることができるものと考えられます(労働審判法29条,民事調停法11条2項)。 3 民事に関する紛争 労働審判手続の対象は民事に関する紛争でなければならないので,公務員の懲戒処分や配転に関する紛争や非常勤公務員の雇止めに関する紛争といった地位に関わる紛争については手続の対象外となります。 ただ,公務員であっても,民事上の責任を追及するもの,例えばセクハラなどでの安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求等について民事上の紛争として,手続の対象となるものと考えられます。
【法律相談QA】 法律相談の時間の目安はどのくらいですか? メールで相談することはできますか? 法律相談の料金はいくらですか? 費用が幾らくらいかかるのか不安です


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