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抵当権・根抵当権に関するQA
累積式根抵当と純粋共同根抵当とはどのような違いがありますか?
1 累積式根抵当 累積式根抵当とは,例えば1億円の極度額を担保するために,ABCの3つの不動産に根抵当権を設定するに当たり,それぞれの不動産の担保価値に応じて極度額を割り付けるものをいいます。 例えば,担保価値がA不動産(5000万円),B不動産(3000万円),C不動産(2000万円)であれば,それぞれ,極度額を5000万円(A不動産),3000万円(B不動産),2000万円(C不動産)と設定します。 担保評価を誤り,A不動産から3000万円しか回収できず,逆にB不動産が5000万円で競落されたとしてもB不動産から2000万円の回収をすることは出来ません。 2 純粋共同根抵当 純粋共同根抵当は,先ほどの設例でいえば,すべての不動産に極度額1億円として根抵当権を設定することです。 設定の際に「共同担保とする」旨の登記をする必要があり(民法398条の16),各不動産について債務者,被担保債権の範囲,極度額が一致していなければなりません。 一個の不動産について元本確定事由が発生したときは,他のすべての不動産についても確定するということになっています(民法398条の17)。 実務的には純粋共同根抵当の方が担保としてカバーできる範囲が広く安心ですが,登録免許税が高くなってしまうというデメリットもあります。 3 普通抵当権の場合 なお,普通抵当権の場合にも,「共同抵当」という概念がありますが,根抵当権における上記のような区別はありません。 共同抵当権者は,抵当権を設定したどの不動産からでも債権全額の優先弁済を受けることができます。各不動産の後順位抵当権者は,先順位抵当権がどの物件から競売し配当を受けるかによって大きな影響を受けることになります。
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