身柄拘束に関するQA

【裁判例】 実弟の結婚式への出席を理由とする勾留の執行停止決定が抗告審において取り消された事例 大阪高等裁判所 昭和60年11月22日
1 昭和60年11月18日に弁護人から被告人に対する勾留執行の停止の決定を求める旨の申立がなされました。 その申立の理由は,被告人が同月24日に行われる実弟の結婚式に出席したいというものであることでした(被告人が韓国人であり,韓国人は親族のつながりを大切にする風習を有することから長男である被告人は参集する多数の親族に応接する立場にあることなども事情として主張されました)。 原裁判所は,被告人の勾留の執行を同月23日午後1時より同月25日午前10時まで停止する旨の決定をしました。 2 しかし,検察官からの抗告を受けた高裁は,「被告人の本件勾留の理由及びその必要性、被告人の本件逮捕前の生活状況、現在の被告人の家族関係などに照らすと、弁護人の答弁における主張を考慮しても、本件において、被告人が実弟の結婚式に出席させるため勾留の執行を停止することが適当であるとは認められない」として 執行停止の決定は妥当ではないとして取り消しました。 3 近親者の葬儀を理由とする勾留執行の停止は認められやすいですが,結婚式となるとほとんど認められた事例はないようです。
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