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身柄拘束に関するQA
【裁判例】 勾留の基礎となっていない事実について保釈許否の判断をしたとされた事例 最高裁判所 平成13年1月15日
保釈は、あくまでも、勾留から身柄を解放するための制度であり、勾留には基礎となっている公訴事実があります。 本件は、勾留の基礎となっていない事実について保釈の許否を判断したとして最高裁が指摘したという事案です。 「原決定は,保釈請求却下の裁判に対する申立人の準抗告を棄却するに当たり,その理由において,「本件は,被告人が共同被告人4名及び他の共犯者らと共謀の上,法定の除外事由がないのに,北海道知事の許可を受けないで,かにかごを使用してけがに約1トンを採捕したという事案である」とした上で,これを前提として,組織的に敢行された密漁という本件の罪質等を考慮し,刑訴法89条4号所定の事由が認められ,裁量により保釈すべき事情も認められないとしている。しかし,記録によれば,申立人は,「平成12年9月28日ころ,北海道釧路市ab番地のc所在のA株式会社において,Bから,同人らが,法定の除外事由がないのに,北海道知事の許可を受けないで採捕したものであることの情を知りながら,けがに約1127キログラムを買い受けてこれを所持した」との公訴事実(北海道海面漁業調整規則55条1項1号,42条の3,5条17号)について,勾留中に起訴されたものであり,原決定が前提とするような無許可でかにかごを使用してけがにを採捕した事実について,勾留され起訴されたことはない。したがって,原決定は,申立人が勾留され起訴された事実とは異なる事実を前提として,刑訴法89条4号所定の事由の存否と裁量保釈の当否を判断し,保釈を求める本件準抗告を棄却したものであるから,その判断には重大な違法があり,これを取り消さなければ著しく正義に反するものと認められる。 よって,刑訴法411条1号を準用し,同法434条,426条2項により,原決定を取り消し,本件を釧路地方裁判所に差し戻すこととし,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。」
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