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強盗罪に関するQA
強盗罪における暴行・脅迫とはどのようなものですか?
1 強盗罪において手段とされる暴行・脅迫は,「相手の犯行を抑圧するに足りる程度」の強度のものに限ると考えられています(最高裁昭和24年2月8日刑集3・2・75)。 これに至らない程度の暴行・脅迫を加えた場合には,恐喝罪の成否が問題となります。 ただ,暴行・脅迫の程度の違いにより強盗罪と恐喝罪を区別することは,微妙な場合もあり,この点から,弁護人としては強盗罪で起訴されていたとしても,恐喝罪が成立するのみであるとの主張をすることも多いものです。 借金返しに来たと嘘を告げて被害者女性に解錠させて入室し,なんとか金の無心を切り出そうとしたが切っ掛けがつかめず,情に絡めて被害者を軟化させて金を出させようと同女に纒いつこうとしたが,被害者に拒まれたうえ,被害者が興奮して話を聞こうとせず室外に逃れようとする気配を示したので、ともかくこれを静めて金の話を切り出そうと考え,四畳半間において,椅子に腰かけていた被害者を背後から羽交い締めにしようとして揉み合い,その抵抗が激しいところから,所携のビニール紐と布テープの紐でその両手を後手に縛り,一応静めたものの,さらに立上って同部屋の窓ガラスを開けようとしたり,大声を上げたりするので,黙らせようとしてタオル二本でその口に猿ぐつわをし,その際被害者に咬みつかれた右手中指先の出血がひどいので,その手当をするため被害者に尋ねながら包帯を探しているうち,同女が再び立ち上ったので逃げられてはいかんと思い,所携の腰紐で同女の両膝を縛ったが効果がなく,これをすぐはずしたので今度はその後から後方に引き倒し,逃げないようにと右足首を同部屋にあったオルガン用の椅子の鉄パイプの脚に前記の腰紐で縛りつけたなどいう事案で,強盗罪ではなく,恐喝罪とした裁判例があります(東京高裁昭和59年10月25日判例時報1153号236頁)。 被害者の抵抗が激しく,その犯行を抑圧する程度にまでは至っていないという判断かと思いますが,微妙であると思います。 2 暴行・脅迫は,財物の直接の所持者以外の者に向けられてもよく,財物を奪う際に障害となる者であればよいと考えられています。 例えば,銀行の現金輸送車を襲った場合,現金の占有は銀行の支店長などに有ると考えられますが,輸送車の警備員などに対して暴行を加えた場合にも強盗罪が成立するということになります。
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