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相続の承認・放棄に関するQA
限定承認の申述の際の財産目録に,消極財産(債務)を記載しなかった場合,「悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき」(民法921条3号)として法定単純承認に該当することになりますか?
1 限定承認の申述に際して求められる財産目録には,消極財産(債務)も記載すべきであるというのが最高裁の判例の立場です(最高裁判所 昭和61年3月20日 判時1198号106頁)。 金銭債務は勿論のこと,売買契約に基づく移転登記の手続義務,株券返還債務といった債務も含まれます。 2 「悪意」というのは,単に債務の存在を知っていることに加えて,財産目録に記載しないことにより,債権者の追求ほ免れようとする詐害的な意思があることをいうものと解されています。 3 限定承認が受理され,有効とされた場合に,相続人に法定単純承認の事由が発覚したときは,限定承認が無効となってしまうのではなく,当該相続人は,債権者が相続財産をもって弁済を受けることができなかった債権額について,相続人固有の財産をもって賠償しなければならないものとされています(民法937条)。
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