法人格否認の法理に関するQA

当社は,株式会社Aに対し貴金属を販売してきましたが,A社の代表者であるBは,C株式会社という別会社を設立して,A社を仕入れ,C社を販売というように使い分けるようになりました。A社の支払が滞ったり倒産した場合,当社はC社に対して請求したりすることは出来ないのでしょうか?
同様の事例で,仕入れを行っていた会社(甲社)と販売を行っていた会社(乙社)を法人格否認の法理により同一視できるかという点について判断した東京地裁平成8年4月18日(判例時報1592号82頁)があります。 この件で,裁判所は,次のような要素を指摘して,仕入れを行なっていた会社について法人格の濫用であるとして法人格を否認し,仕入れ会社とは別の法人であった販売を行なっていた会社に対して支払を命じました。 @両社ともに同一の営業場所であり電話番号も共通していたこと A甲社の業務に携わっていた甲1は乙社の従業員として給与を受け取る一方で,甲社の取締役についており,両社の業務に従事していたこと B両社ともに同一の者が支配しており,両社の役員はその者及びその親族であったこと C両社については税金対策によって使い分けがされていたものであり,頻繁な商号変更など資産を有しない甲社名義による仕入れを通じて対外的責任を甲社にのみ負わせることほ企図していたこと など お尋ねの件についても,A社とC社,その代表者などとの相互関係や設立の目的などによってはA社の法人格が否認され,C社と同一であると判断されることもあるというべきでしょう。
【関連QA】 法人格否認の法理とはどういうものですか? 私は,株式会社Aという会社に対し継続的に品物を販売してきましたが,最近A社からの支払が滞ってきました。話によるとA社の代表者であるBは「会社を畳もうと思っている」などと言っているようです。A社は実質的にはBが一人でやっているもので株式会社と言っても税金対策の名ばかりのものです。私は,B個人に対しては請求することは出来ないのでしょうか? 【法律相談QA】 法律相談の時間の目安はどのくらいですか? メールで相談することはできますか? 法律相談の料金はいくらですか? 費用が幾らくらいかかるのか不安です


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