時効に関するQA

貸金業者の貸付債権の消滅時効期間は何年ですか?
1 民法上の債権の消滅時効期間は10年であり(民報167条1項),貸付けが個人間で行なわれた場合の消滅時効期間は10年となります。 2 民法の債権の消滅時効期間にはいくつかの特則があり,そのうち商事債権の消滅時効期間は5年間とされています(商法522条)。 貸金を業とする者によって行われた場合に,商事消滅時効が適用されるかどうかについては争いがあります。 3 貸金業者が会社である場合 アコムやアイフルなどの消費者金融会社の貸付債権について商事消滅時効の適用があることには争いがありませんので,この場合の消滅時効期間は5年となります。 会社は利益を上げるためのみに存在しており,当然に商人とされ,会社が行う行為は当然に商行為となるからです(会社法5条)。 4 貸金業者が個人である場合 争われているのはこの場合です。グレーゾーン金利の撤廃により数は減ったとはいえ,全国にはまだ数多くの個人による貸金業者が存在します。 このような個人の貸金業者から借り入れた場合に,その貸付債権の消滅時効期間は10年か5年かという問題です。 単純に考えると個人であろうと営業として行っている以上,商行為ではないかと考えられそうですが,個人の行為が商行為となるためには商法502条各号の行為を反復継続して行うことに該当しなければならないことになっています(営業的商行為)。 このうち,判例で問題となってのは貸金業が「銀行取引」(商法502条8号)に該当しないかということですが,これについては否定されています。 また,貸金業法では貸金業を「他人間の金銭貸借の媒介又は金銭の貸付け」とされているので,このうち「他人間の金銭の貸借の媒介」については,商法502条11号の「仲立ち」に当たるとして,金銭の貸付け行為がその仲立ちのための行為に当たるのではないかが問題となりますが(商法503条 付属的商行為),金銭の貸付けと他人間の金銭貸借の媒介はまったく別の行為であり,貸金業者は他人間の金銭の仲立ちのために金銭の貸付けをしているわけではありませんから,やはり,個人の貸金御者による金銭の貸付け行為は,商法が規定する商行為とはならず,消滅時効期間は民法が定める10年ということになります。 5 利用者の借入行為が商行為となる場合 なお,貸金業者が個人の場合てあっても金銭を借り入れる利用者が会社であるなど,借入行為自体が商行為である場合には,商法522条が適用されますので,この場合には消滅時効期間は5年となります。 利用者が個人である場合には,先ほどの議論と同様に,借入行為が商行為であるかどうかの問題が生じることになります。
【法律相談QA】
法律相談の時間の目安はどのくらいですか? メールで相談することはできますか? 法律相談の料金はいくらですか? 費用が幾らくらいかかるのか不安です


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