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私の父は,私と母を残して愛人の女性の元に去りその愛人と暮らしていましたが,父は最近死亡しました。父は遺言を残しており,それによると,私と母に対しては遺留分に相当する遺産は与えるが,それ以外の遺産は愛人の女性に相続させるという内容でした。このような遺言が許されるのでしょうか?
1 遺言は,相続人の遺留分を侵害しない限り自由にその財産を処分することができるのが原則です。 しかし,時折,問題となることとして,お尋ねのように,遺言者が不倫関係にある愛人などに遺産を相続させる(遺贈する)旨の遺言を遺したため,遺された相続人との間でトラブルになることがあります。 2 法的な問題点としては,そのような遺言が公序良俗(民法90条)に反するものとして無効になるのではないかということが問題されます。 この点については,具体的事情に応じて,無効とされた裁判例もあれば,有効とされた裁判例もあります。 (1) 無効とされた裁判例  @全財産を遺贈する旨の遺言が、遺贈者と受贈者との間の情交関係の維持継続をはかるためにされたものであることなどにより、公序良俗に反し無効であるとされた事例(東京地方裁判所 昭和58年7月20日)  A不倫な関係にある女性に対して包括遺贈する旨の遺言が公序良俗に反して無効であるとされた事例(東京地方裁判所 昭和63年11月14日) http://www.egidaisuke.com/legal_info/cat05/q6_13.php (2) 有効とされた裁判例  @妻との婚姻関係が事実上破綻した後に開始された同棲が約10年に及んだ女性に対しその女性が居住する不動産等の全財産を包括遺贈する旨の遺言が公序良俗に反しないとされた事例(仙台高等裁判所 平成4年9月11日)  A不倫な関係にある女性に対する包括遺贈が公序良俗に反しないとされた事例(最高裁判所 昭和61年11月20日) http://www.egidaisuke.com/legal_info/cat05/q6_12.php 3 裁判所の判断要素としては,次のような諸点を踏まえつつ,具体的事情に応じて,公序良俗違反についての遺言が有効,無効を判断しているようです。  @配偶者との婚姻の実態がある程度失われた後の遺言かどうか  A内縁関係がある程度継続した後の遺言かどうか  B遺贈が不貞行為の関係・維持を目的としたものであるかどうか  C遺贈の内容が相続人らの生活基盤に影響を及ぼすものであるかどうか
【関連QA】 【裁判例】 不倫な関係にある女性に対する包括遺贈が公序良俗に反しないとされた事例  最高裁判所 昭和61年11月20日 【裁判例】 不倫な関係にある女性に対する包括遺贈が公序良俗に反するとされた事例  東京地方裁判所 昭和63年11月14日 【法律相談QA】 法律相談の時間の目安はどのくらいですか? メールで相談することはできますか? 法律相談の料金はいくらですか? 費用が幾らくらいかかるのか不安です


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