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遺言に関する裁判例

【裁判例】 公正証書作成時にアルツハイマー型老年痴呆により記憶障害及び理解力,判断力の低下が著しい状態にあり,必ずしも単純な内容ではない本件遺言をなしうる意思能力を有していなかったとして,公正証書による遺言を無効とした事例 東京地方裁判所 平成4年6月19日
遺言能力を欠くとして,公正証書遺言が無効とされた事例です。 1 事案の概要(裁判所の判断) (1)昭和58年10月20日に原告側に遺贈する旨の公正証書遺言をしていた遺言者が,昭和62年3月23日にこれを取り消したうえで被告側に有利な公正証書遺言を行なったという事案です。 (2)遺言者には,昭和61年11月6日に入院した当時,アルツハイマー型老年痴呆と夜間譫妾(ママ)による意識障害による異常な言動が見られた。 その後,アルツハイマー型老年痴呆の急速な進行により記憶障害,理解力,判断力の低下が著しく,痴呆による異常な言動は同年3月末まで消失しておらず,遺言者は昭和63年3月20日ころには自分の意思をわきまえることが障害されている重度の痴呆状態であった。 (3)本件遺言が必ずしも単純な内容のものではなかったことを併せ考えると,遺言者は,本件遺言公正証書作成当時,本件遺言をするために必要な行為の結果を弁識,判断するだけの意思能力を欠いていた (4)本件遺言公正証書作成時の状況をみると,遺言者は,公証人に対して手続の最初と最後に一応の挨拶をし,また,同公証人の行う遺言内容の確認に対して応答しており,さらに,同公証人は,作成手続中に同女の意思能力に疑問を持たなかった。 しかしながら,医師の証言によれば,当時遺言者がおかれていたアルツハイマー型老年痴呆の第2期の状況の下においても,人間的な接触は可能で挨拶程度はできることが認められ,また,公証人の証言によれば,本件遺言公正証書の作成に要した時間は20分程度であったこと,その作成時において遺言者は単に頷いたり,「はい」という返事をした程度であり,それ以上の具体的な説明,発言をしていないこと,さらに,公証人は遺言者の自署能力については懸念をもっていたものの,意思能力については,医師の作成にかかる診断書中の「自用を弁じ得ない状態にある」との記載を同女に夜間に失禁がみられるとの趣旨であると誤解するなどして,判断力に問題はないとの認識で本件遺言公正証書の作成手続に入ったことが認められ,これらの事実に照らすと,本件遺言公正証書の作成時に遺言者が前記の応答をしたこと及び公証人が遺言者の意思能力に疑問をもたなかったからといって,前記の結論を覆すに足りないと言わざるを得ない。 【掲載誌】 家庭裁判月報45巻4号119頁
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