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任意後見契約に関するQA
母が長男を任意後見人とする任意後見契約を締結し登記もされていますが,任意後見監督人の選任の申立はされないままになっています。私は第三者を後見人とする法定後見を開始してほしいと思っています。可能でしょうか?
1 任意後見契約が締結され登記されている場合,家庭裁判所は,本人の利益のため特に必要があると認めるときに限り,後見開始の審判等をすることができるものとされていますので,現状のまま法定後見開始の申立てをしたとしても,原則として申立は却下されるということになります。 2 ただ,「本人の利益のため特に必要があると認めるとき」には法定後見が開始されるということになっていますので,お母さんにとって任意後見契約ではなく法定後見が開始されるべき事情を述べることにより法定後見の開始がされるよう家裁に対して働きかけるということになります。 3 ただ,それでも法定後見開始の申立が却下されたような場合,お母さんの認知症等の症状が進んでおり,任意後見契約を発効させるべき時期に来ているのであれば,任意後見開始の申立てを行うことで,第三者の任意後見監督人を選任してもらい,公正な財産管理等が行われるようにすべきかと思います。 また,任意後見人として「不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者」(任意後見契約に関する法律4条1項ハ)であると認めらるときは任意後見監督人の選任申立てが却下されることになりますので,そのような事情を家裁に述べることで任意後見契約の発効を阻止し,その後に法定後見の申立てをするということも考えられると思います。
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